特集 見逃していませんかその症状,疾患!-日常診療で見逃さないためのTips-
4.肺高血圧症/肺血栓塞栓症
2.心エコーで異常を認めなかった若年の息切れ症例
伊波 巧
1
1杏林大学医学部循環器内科学
キーワード:
CTED
,
CTEPH
,
PAP-CO slope
Keyword:
CTED
,
CTEPH
,
PAP-CO slope
pp.124-130
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000369
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40 歳代,男性。 主訴 労作時呼吸困難(WHO-FC Ⅱ)。 現病歴 X−3 年春頃より労作時の息切れを自覚するようになったが,1 カ月ほどで自然軽快した。その後もしばしば労作時息切れ症状の再燃寛解を繰り返していた。X 年4 月に健診を行ったところ,RVSP 54mmHg と右心負荷所見を認めたため近医を紹介受診となり,造影CT 検査の結果,右肺動脈内および右下腿静脈内の造影欠損像を認めたことから,急性肺血栓塞栓症(acute pulmonarythromboembolism:APTE)および深部静脈血栓症(deep venous thrombosis:DVT)の診断となり,アピキサバンによる抗凝固療法を開始された。その後症状もある程度軽快し,follow-upで行われた造影CT 検査で血栓の消失も確認され,心エコーで右心負荷所見も消失したが,労作時息切れ症状は消失しないため,当院紹介となった。 既往歴 特記事項なし。 身体所見 血圧:96/56mmHg,心拍数64 回/分,体温:36.5℃,意識:清明,肺野:副雑音なし,心音:Ⅰ,Ⅱ音正常Ⅲ音(ー)Ⅳ音(ー)心雑音なし,腹部:平坦軟,腸蠕動音正常,四肢:浮腫なし。
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