特集 見逃していませんかその症状,疾患!-日常診療で見逃さないためのTips-
2.弁膜症
1.臥位より座位で増強する息切れ
児玉 淳子
1
1豊橋ハートセンター循環器内科
キーワード:
Platypneaorthodeoxia症候群
,
卵円孔開存
,
経皮的卵円孔閉鎖術
Keyword:
Platypneaorthodeoxia症候群
,
卵円孔開存
,
経皮的卵円孔閉鎖術
pp.46-54
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000358
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患者 60 歳代,男性。 主訴 呼吸困難 既往歴 2000 年 多発性脳梗塞(発症後よりチクロピジン200mg/ 日の内服を継続) 生活歴 喫煙(−),アルコール(−) 現病歴 1999 年,近医にて左前下行枝完全閉塞に伴う心筋梗塞後狭心症の診断で冠動脈バイパス術を施行された(左内胸動脈–左前下行枝)。2002 年頃より呼吸困難が出現した。原因は不明であったが,酸素飽和度92%と低下を認め,在宅酸素療法が導入された。2005 年5 月頃より呼吸困難が増悪したため,近医呼吸器科を受診した。その際に施行された胸部CT 検査にて,心臓前面に異常陰影を認め,2005 年6 月精査目的に当院へ紹介された。受診時,症状を詳細に聴取すると,呼吸困難は座位で増強,臥位で軽減することがわかった。 現症 身長172cm,体重80kg,意識清明,血圧103/81mmHg,脈拍96/ 分・整,呼吸数22回/ 分。酸素3L/ 分投与下の臥位での床指尖脈波型パルスオキシメーターによる酸素飽和度は90%であった。結膜に貧血と黄疸を認めず。聴診上,心音清,心雑音は聴取せず,呼吸音正常。肝・脾・腎を触知せず。手指にチアノーゼとばち指を認めるも,下腿に浮腫を認めず。神経学的所見としては左半身不全麻痺,構音障害を認めた。
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