連載 Dr.長坂の身体所見でアプローチする呼吸器診療・3
息切れの診察
長坂 行雄
1
1洛和会音羽病院 洛和会京都呼吸器センター
pp.593-598
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205977
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息切れは,低酸素を直接に認知するのではない.息切れを感じるメカニズムは,「必要な酸素摂取のための換気努力が通常よりも大きい場合に息切れを自覚する」という説が有力である1).健常者が運動をして換気努力が増えても,換気努力に見合った酸素摂取ができれば不快な息切れは感じない.健常者でもマスクをしたり,荷物を持って走れば余分な換気努力が必要になり,息切れを感じる.高地に行けば酸素濃度が低くなるので,換気努力が大きくなり,息切れを感じやすい.息切れは,感覚的で心因的な要素も加わるので病態以上に強くも弱くも訴えられるが,原因を推定するには問診が重要である.
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