新連載 画像診断研究のための統計学
[第1回] 仮説検定とP値
新谷 歩
1
,
兵頭 朋子
2
1大阪公立大学大学院医学研究科 医療統計学教室
2近畿大学医学部 放射線医学教室 放射線診断学部門
キーワード:
帰無仮説
,
有意水準
,
P値
,
多重性
Keyword:
帰無仮説
,
有意水準
,
P値
,
多重性
pp.1162-1166
発行日 2025年10月26日
Published Date 2025/10/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000002172
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Aさんは放射線科の2年目の専攻医です。勤務している病院のMRI装置が新しくなり,これまでと同じ撮像時間で画質が向上するとされる再構成法が導入されました。Aさんは,新しい再構成法で30例ほど脳転移のMR検査を行い,従来の方法による画像と比較して,脳転移の診断精度が高いかどうかを確かめたいと考えました。指導医に相談したところ,「それを研究テーマにして論文を書いてみましょう。今回の研究仮説をどう設定しますか?」と聞かれました。さらに,「症例数が少ないかもしれないが,P値が有意になるかどうかですね」とも言われました。

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