特集 臨床MRIを基礎から知る−さまざまな角度からMRIの魅力に迫る−
[総論]
臨床診断に必要なMRI世界の広がり
高原 太郎
1
1東海大学工学部 医工学科
pp.6-26
発行日 2023年4月30日
Published Date 2023/4/30
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001251
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MRIが日本に導入され,急速に普及していったのは1990年代である。当時は,MR学会(日本磁気共鳴医学会)は半年に1回開催され,さまざまな撮像技術が次々に発表される時代であった。急速な進歩に遅れないよう,放射線科医も技師も例外なくMRIの原理から学んだものである。日常臨床の傍らこれらの新技術を習得するのは大変だった一方で,ひとつひとつの技術が徐々に増える様子をリアルタイムで学べたという意味では,知識の獲得が容易だったともいえる。逆に2020年代の現在では,これまでに蓄積された大量の撮像技術臨床用途が複雑になったので,初学者にとっては全体を理解するのが難しくなったという現状がある。このような背景があるので,本稿を書くにあたり,どのように技術解説したらよいのか悩んだが,「マインドマップ風」にすることで,読者諸氏にいろいろな撮像法のつながりについて概観していただき,全体としての把握を容易にすることを思いついた。ある程度頭にいれておけば,以降のページで各著者により触れられている技術を理解することに役立つと思う。
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