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[第2回]
臨床に即した研究と新たな知見−常識は変化する−
対馬 義人
1
1群馬大学大学院医学系研究科 放射線診断核医学
pp.1126-1127
発行日 2021年9月26日
Published Date 2021/9/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000739
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Stage Ⅲb(eGFR:30〜44mL/min/1.73m2)のchronic kidney disease(CKD)患者について,post–contrast acute kidney injury(PC–AKI)の発生を予防するための方法として,点滴静注による水分補給が勧められているが,経口飲水がこれに劣らないかどうか前向きに検討した。点滴静注は炭酸水素ナトリウム(166mmol/L)を用い,3mL/kg/hを造影CT前1時間,かつ1mL/kg/hを検査後1時間,経口飲水は2時間前に500mL,検査後24時間で2,000mLとした。PC–AKIの発症は,点滴静注で5.3%(95%CI:2.0〜11.1%),経口飲水で4.4%(95%CI:1.4〜9.9%)であった。両者は同等であろう。
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