Japanese
English
【巻頭言】
地域に即したボランティア活動
Nursing Volunteer Activity for the Community
酒井 明子
1
Akiko Sakai
1
1福井大学医学部看護学科
pp.1
発行日 2008年12月31日
Published Date 2008/12/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200124
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- Abstract 文献概要
災害時には、それぞれの地域の実情や被害の実態に応じた個別的で多面的で継続的な支援が求められる。つまり、如何に地域に即した支援をするかが問われている。人々のいのちをどう守るか、人々の心の傷をどう癒すか、人々の生活をどう支えるかなど、初期から中長期的な支援が求められている。個別性の強いニーズに対する自立に向けた生活への支援にはボランティアによる地域に密着した活動が重要となる。しかし、特に災害時要援護者に対する情報伝達や援助の手の差し延べ方は難しい。どこにいて何をしていて何を求めているのか、実態把握さえも困難である。把握し易いところには支援は行き届くが、すっぽりと抜けてしまうところが出てきた場合は、極めて深刻な状況となる。ここに専門職業人としての役割をいかしたボランティア活動や一般の人々によるボランティア活動が求められる。
最近、専門職のボランティアが生き生きと活動している。しかし、活動によって更なる問題も顕在化してきている。したがって、これからは専門職の組織化、活動を保証するしくみ、他職種との連携をどうするかなど、各専門職の学会でも大いに話し合い、また、公的な国や自治体や公的機関や民間人との協働関係の重要性についても認識を高めていく必要がある。
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