連載 特集アドバンストコース
『臨床画像』VOL.36,1月号特集 MRIで読み解く心臓と脈管:流れと機能
岩田 琴美
1
,
関根 鉄朗
1
1日本医科大学 放射線科
pp.584-587
発行日 2020年5月26日
Published Date 2020/5/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000235
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本特集では心血管の流れと機能に着目し,近年発展してきている4D–flow MRIの観点から,各領域での血行動態について詳しく解説されている。今まで4D–flow MRIに携わったことのない先生方だけでなく,すでに4D–flow MRIを使用している先生方にも新しい発見があると思われ,内容豊富となっている。安藤譲二先生らによる「内皮細胞の血流応答異常が血管病変を招く」では,内皮細胞に作用する流体力学の解説をシェーマも用いて解説されており,高血圧や血栓症,動脈瘤などの各血管疾患における病態についても詳しく述べられている。血管病変が生じるメカニズムについて理解したい放射線科医にとって必読であると思われる。織田絵里香先生らによる「頭頸部領域の4D–flow MRI」では頭頸部領域における4D–flow MRIの撮影方法,特にmulti–VENC撮像法について詳しく解説されており,当領域のどのような疾患に4D–flow MRIが有用であるかも紹介されている。高橋 護先生による「4D–flowの時短戦略」では,通常であれば長い撮像時間が必要となる4D–flow MRIにおけるparallel imagingtechniqueやcompressed sensing,echo–planar imagingなどの高速撮像技術について解説されており,臨床で許容される時間内に4D–flow MRIを撮像可能とするための一助となると思われる。
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