マクロとミクロ
脈管
佐々木 憲一
1
1中央鉄道病院中検
pp.6-7
発行日 1973年8月1日
Published Date 1973/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200207
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脈管系は,血管系とリンパ管系に分けられるが,今回は血管糸について紹介する.
人の血管系は母胎内でのものと,出生後のものとは異なり,胎児では図1に示すごとくである.すなわち,酸素,栄養分,ホルモンを含む動脈血は胎盤からの臍帯静脈を介して供給される.臍帯静脈は肝に分枝したのち,下大静脈にはいり右心房に流れ込むが,大部分は心房中隔に開いている卵円孔を通って左心房にはいり,左心室を通って体循環(大循環)糸へ送り出される.大動脈の分枝が2本の臍帯動脈となって,静脈血をいわゆる胎盤循環へ運んでいる.肺循環系(小循環)は,胎児では単なる栄養血管の役割を果たすのみである.
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