特集 結核の画像診断
肺外結核の画像診断
竹内 均
1,2
,
黒﨑 敦子
2
,
大藤 貴
3
1公益財団法人結核予防会複十字病院 IVR科
2公益財団法人結核予防会複十字病院 放射線診断科
3国立国際医療研究センター国府台病院 呼吸器内科
pp.499-510
発行日 2020年5月26日
Published Date 2020/5/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000222
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結核菌は肺に感染が生じた後,リンパ行性,血行性,管内性(経気管支,経腸管)進展によってどこの組織,器官にも到達することができる。肺外結核は,結核予防法で「肺あるいは気管支以外の臓器を主要罹患臓器とする結核症および粟粒結核」と規定された。結核の統計によれば,2018年の新規登録患者数では肺結核および気管支結核12,033例に対し,肺外結核は3,557例と結核全体の23%程度を占め,決して珍しい病気ではない。一般に肺外結核は個々の部位では菌量が少なく,感染性は低い。培養に時間がかかり,確定診断に時間を要することがある。また,肺外結核は肺結核を合併していることがある。粟粒結核は重篤であり,排菌していることもあるため,感染のリスクに注意が必要である。本稿では,比較的遭遇する頻度の多い結核性胸膜炎,頸部リンパ節結核に加え,やや頻度の低い粟粒結核症,骨・関節結核症,腸結核症,中枢神経の結核などについて説明し,現在では稀少な肺門,縦隔リンパ節結核,腎結核などについても画像を供覧する。
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