特別企画 放射線科スーパーセレクション2020この発表,この着眼点に注目!
リンパ系IVR
井上 政則
1
1慶應義塾大学医学部 放射線診断科
pp.362-373
発行日 2020年4月26日
Published Date 2020/4/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000190
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IVRは動脈,静脈,門脈,胆管系の治療において重要な役割を担ってきたが,長らくリンパ系に対するIVRはほとんど手つかずの状態であり,IVRにおいてリンパ系は闇の世界であった。唯一,われわれが治療にかかわれたのは,乳び胸水に対して行う足背リンパ管造影(PL)のみであった。しかし,7 〜8年前から国際学会や論文で報告され始めたリンパ節内リンパ管造影(IL)と胸管塞栓術はそのすべてを一変するほどのインパクトがあった)。特に,技術的に平易な鼡径部のリンパ節から行うILが臨床応用されたことにより,乳び胸水以外にも急速にリンパ漏に対するIVRが普及してきた)。本稿では,IVRの世界に出現した新しい領域であるリンパ系IVRの概要とさまざまなリンパ管造影を紹介する。
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