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特集 整形外科領域におけるAIの応用
Ⅳ章.AIによる疾患診断
6.深層学習モデルを用いた成長期野球選手の上腕骨内側上顆変形の検出
Detection of the abnormality of the medial epicondyle of humerus using by deep learning-based artificial intelligence model
髙辻 謙太
1
,
木田 圭重
1
,
高橋 謙治
1
K. Takatsuji
1
,
Y. Kida
1
,
K. Takahashi
1
1京都府立医科大学大学院運動器機能再生外科学
1Dept. of Orthopaedics, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectual University of Medicine, Kyoto
キーワード:
deep learning
,
object detection
,
medial epicondyle of the humerus
Keyword:
deep learning
,
object detection
,
medial epicondyle of the humerus
pp.601-604
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_601
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は じ め に
上腕骨内側上顆変形は,成長期野球選手に生じやすい投球肘障害である.学童期野球投手の20~40%に生じるとされており,本邦における大規模検診では若年野球選手の約50%に上腕骨内側上顆の形態変化がみられたと報告されている1).保存療法による良好な治療成績が報告されているが,病期が進行すると投球パフォーマンスが低下する可能性も示唆されており,早期治療介入は重要である2,3).成長期野球選手の肘関節は未成熟で軟骨成分も多いため,軟骨や靱帯の変化をとらえることのできる超音波検査が病変検出に有用である.一方,超音波検査は検者の技術による誤差が生じやすい検査であり,経験のある専門医でなければ画像の判断に難渋することもある4,5).そこで超音波検査による内側上顆変形の検査精度を向上させるために,AIの応用に注目した.近年,AI技術は急速に発展しており,深層学習(deep learning:DL)を利用した画像診断支援技術が広く普及してきている6).AI技術を応用して,超音波画像から内側上顆変形を検出することができれば,専門医でなくとも病変の判断に難渋することなく,精度の高い検査ができるのではないかと考えた.

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