Japanese
English
特集 整形外科領域におけるAIの応用
Ⅲ章.AIによる動作解析
7.機械学習を用いた歩行時の膝関節内反スラスト検知モデル
Machine learning-based model for detecting knee varus thrust during gait
井原 拓哉
1
,
藤田 浩二
2
T. Ibara
1
,
K. Fujita
2
1東京科学大学運動器機能形態学講座
2東京科学大学医療イノベーション機構医療デザイン室
1Dept. of Functional Joint Anatomy, Institute of Science Tokyo, Tokyo
キーワード:
gait
,
varus thrust
,
machine learning
Keyword:
gait
,
varus thrust
,
machine learning
pp.577-579
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_577
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
身体運動の解析には,光学式三次元動作解析システムが利用されてきた.しかしながら,計測に時間がかかることに加え,高価で解析も複雑であり,日常診療での常用には適さない現状がある.一方,変形性関節症(OA)をはじめとする多くの整形外科疾患では,静的状態のみならず動的状態も定量的に評価することが重要視されつつある.近年のAIの発展は一般的なカメラで撮影可能な可視光画像から身体関節の位置を推定することを可能とした1,2).これは日常診療で定量的に動作解析を実施することを可能にする革新的な変化である.これにより,従来専門家の経験に依存していた視診による動作解析を定量的にみることが可能となった.しかしながら,出力される生の情報は画像内における関節の推定位置にすぎない.日常診療で意味のある情報に鑑みると,病態悪化や疼痛増強に関連する意味のある指標の出力が必要とされる.そこで本稿では,膝OA患者を対象に,OA進行に関与することが知られている内反スラストを検知する機械学習モデルの開発に関して紹介する.

© Nankodo Co., Ltd., 2025