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特集 整形外科領域におけるAIの応用
Ⅲ章.AIによる動作解析
6.骨格情報とAIを活用した新規歩行解析法による膝前十字靱帯損傷の鑑別
Novel gait analysis system by gait movie with artificial intelligence:identification of gait disturbance by anterior cruciate ligament injury
宝満 健太郎
1
,
角家 健
1
,
三宅 賢稔
2
,
田中 毅
3
,
堀脇 一樹
3
,
岩崎 倫政
1
K. Homan
1
,
K. Kadoya
1
,
M. Miyake
2
,
T. Tanaka
3
,
K. Horiwaki
3
,
N. Iwasaki
1
1北海道大学大学院整形外科
2日立ハイテク社
3日立製作所社
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medicine, Hokkaido University, Sapporo
キーワード:
AI
,
gait analysis
,
ACL
Keyword:
AI
,
gait analysis
,
ACL
pp.573-576
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_573
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は じ め に
昨今,歩行の態様の電子データは「個人識別符号」に分類されるようになり,個人情報として扱わなければならないことをご存知であろうか.逆説的ではあるが,歩行には個人を特定できるレベルで再現性と特異性が存在することを意味している.そうすると,診察室に入ってきた患者の様子をみただけで疾患を言い当てる名医の姿に憧れるものであるが,現実は靱帯が断裂している患者の歩行ですら簡単には見破ることができないようである.三次元動作解析のような装置を使えば,精度の高い生体力学的指標が与えられ,歩行から疾患を見抜くことも可能かと思われる.しかし,これらの装置は運動学的情報を導くまでに非常に時間と手間がかかるため,実際に診療で使われる施設はかなり限定的である.そこで,逆動力学解析をショートカットし,関節位置を特徴量としたAIの活用で効率よく診断につなげるスクリーニングシステムを思索した.本稿では前十字靱帯(ACL)損傷を例にあげ,新しい歩行解析方法について記載する.

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