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特集 整形外科領域におけるAIの応用
Ⅱ章.AIによる画像診断
6.単純X線像における仙骨骨折のAI画像検出
Artificial intelligence detection of sacral fractures in X-ray photograph
稲垣 直哉
1
,
中田 典生
2
,
一森 紫衣奈
3
,
斎藤 充
4
N. Inagaki
1
,
N. Nakata
2
,
S. Ichimori
3
,
M. Saito
4
1東京慈恵会医科大学付属柏病院整形外科
2東京慈恵会医科大学人工知能医学研究部
3富士市立中央病院整形外科
4東京慈恵会医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., The Kashiwa Hospital of the Jikei University School of Medicine, Kashiwa
キーワード:
sacral fracture
,
AI
,
X-ray photograph
Keyword:
sacral fracture
,
AI
,
X-ray photograph
pp.545-549
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_545
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は じ め に
高齢化に伴い,転倒などによる脆弱性骨盤輪骨折(FFP)は増加傾向にある.特に仙骨骨折は誤診率が高く,多くの合併症を引き起こすことが問題となっている.診断には主訴,身体所見,放射線学的検査などがあげられる.主訴や身体所見,単純X線像(XP)では骨折を診断することがむずかしく,CTやMRIで診断されることが多い.しかし,XPで骨折を疑えなければ,こうした詳細な検査が行われないため早期診断が困難である.この課題に対して筆者らはXPで仙骨骨折を診断するAIの開発に取り組んでいる.本稿では,FFPの現状と合併症,診断の問題点について解説したうえで,筆者らのAI研究の結果とこのAI導入で診断フローチャートにどのような変化が想定されるのかについて述べる.

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