ロッキングプレートを用いた腓骨頚部を骨切りするinterlocking wedge high tibial osteotomy

Clinical results of fibular osteotomy in interlocking wedge high tibial osteotomy with locking plate

は じ め に

　内側型変形性膝関節症（OA）や特発性膝骨壊死（ON）における高位脛骨骨切り術（HTO）の術式は，楔状閉鎖式骨切り術（CWHTO），dome状骨切り術，逆V字骨切り術，楔状開大式骨切り術（OWHTO），さらにはhybrid CWHTOなどが報告されている^1～6）．CWHTOは腓骨の骨切りを必要とし，腓骨骨切りの方法はさまざまなものがあり一長一短である．われわれは，Ogata^7）が考案した腓骨頚部で骨切りを行うinterlocking wedge high tibial osteotomy（IWHTO）を行ってきた．本術式は皮質骨を最大限温存することにより骨切除量を減少させるとともに，切骨部の接触面積と安定性を増大させることを目的として考案された．遠位骨片を内旋し脛骨粗面を軽度前内方へ移動させることで，膝蓋大腿関節への効果を獲得することを目的とした．しかしながら，腓骨頚部での骨切りは総腓骨神経麻痺の危険性から近年では行われる施設が少なく，下腿中央での腓骨の骨切りを行う施設が多い．腓骨頚部での骨切り方法や理論が，近年世間一般には浸透されていないように思われる．

　本稿では，ロッキングプレートを用いて腓骨頚部で骨切りを行ったIWHTOの方法および術後成績から，本術式の有用性と再認識を目的とし，腓骨頚部骨切りに伴って生じると思われる総腓骨神経麻痺の予防方法などを述べる．