私論
変化と進歩
粕川 雄司
1
1秋田大学医学部附属病院リハビリテーション科准教授
pp.1000-1000
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1000
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2025年3月1日に秋田県の人口は88万9,000人となり,昨年7月から8ヵ月で1万人以上人口が減少したと報道されている.さらに,秋田県の高齢化率は2024年7月で39.7%と全国1位となっている.秋田大学整形外科では,宮腰尚久教授主導のもと2009年から秋田県北秋田市阿仁地区で運動器検診を行っている.地区で行われる住民健診に合わせて希望者に握力,背筋力,下肢筋力,スパイナルマウスを用いた姿勢の評価を実施し,近年ではロコモ度テストも行い,「高齢者の健康寿命の延伸に少しでも寄与できるように」と地域在住の主に高齢者を対象に運動器の検診を行ってきた.検診を開始した2009年は,住民健診日は月曜日~土曜日の6日間で合計300名程度の方の検診をしたが,現在は人口の減少に伴い住民健診の日程が2日間に短縮され,運動器検診に参加する方も50名程度と急速に減少している.15年ほど継続してきた運動器検診でも人口減少,高齢化の急速な変化を実感しているが,今から25年後の2050年の秋田県の人口は約56万人と予想され,日本の人口も現在の約1億2,300万人から2050年には約1億人まで急速に減少することが予想されている.
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