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1.は じ め に
整形外科領域のサブスペシャルティの中でもっとも大きな学会の一つである日本脊椎脊髄病学会に参加した.第53回の本学会は東海大学整形外科教授である渡辺雅彦会長(図1)のもと,2024年4月18日(木)~20日(土)に横浜市のパシフィコ横浜で開催された.本学会は会員数の多さを考慮して毎年京都,札幌,福岡,横浜といった大都市で開催されており,今回も2,500名あまりが参加した学術集会であった.本学会は第53回であったが,日本脊椎脊髄病学会(創立時は脊椎外科研究会)の創立50年の節目となり,日本の脊椎脊髄外科のマイルストーンとなる記念すべき学術集会であった.テーマは「天命―やさしい脊椎脊髄病学の実践」で,病気と闘う患者の負担軽減につながるリサーチや新たな治療法を学会が推し進めていくという,会長含め東海大学整形外科の医局員の思いが込められたスローガンであった.
新型コロナウイルスパンデミックもほぼおさまり1年以上が経過した本学会では,2019年以前の学会の賑わいや活発な交流があった.また,海外からきたゲストにも日本の脊椎脊髄外科の研究フィールドを肌で感じてもらうために,全演題が英語スライドでの発表となった.昨今の学会でも身近になってきたが,今回もデジタル・トランスフォーメーション(DX)の実装により自身のスライドをオンラインで登録し,当日会場でQRコードスキャンをしてスライドを出す方式を採用していた.複数の演題を出している先生では時に別のスライドをスキャンするハプニングも見受けられたが,当日慌てて登録していたひと昔前と違いスマートな印象を受けた.また,事務局である東海大学整形外科のおもてなしがたいへん行き届いており,コングレスバッグや横浜名物のシウマイまんなど抜かりなくおやつの提供(図2)がされていた.ここまでホスピタリティが高い学会はなかなかないのではないであろうか.ご厚意の品々を片手に会場で聴講できた.
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