学会を聞く
第54回日本脊椎脊髄病学会
松倉 遊
1
Y. Matsukura
1
1東京科学大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Institute of Science Tokyo, Tokyo
pp.1063-1065
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1063
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1.は じ め に
2025年4月17日(木)~19日(土)に,千葉市の幕張メッセで開催された第54回日本脊椎脊髄病学会に参加した.本学会は,北里大学整形外科の髙相晶士教授(図1)が会長を務め,「不撓不屈」をテーマに掲げて開催された.
ポスター(図2)は,北里大学の学祖である北里柴三郎先生の姿と,彼が顕現した学会のテーマである「不撓不屈」の文言および脊柱を山に見立てて登ろうとする人物が描かれ,まさに脊椎脊髄病を扱う臨床・研究・教育における継続的努力と困難に屈しない姿勢を象徴するものとなっていた.テーマを視覚的に表現した優れたデザインであり,参加者の記憶に強く残るものであった.
本学会は,整形外科領域のサブスペシャルティの脊椎分野において,もっとも大きな学会の一つであり,会場は国内外の脊椎外科専門医や研究者で賑わい,3日間で延べ2,600名以上が現地参加し,総演題数は1,059題と非常に盛会であった.以下に,本学会で印象に残った内容を構成別に報告する.

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