Japanese
English
論説
脊椎椎体骨折を有する骨粗鬆症患者に対するロモソズマブ6ヵ月投与およびビスホスホネート点滴投与による逐次療法の治療成績
Sequential therapy outcome of romosozumab 6-months administration and bisphosphonate infusion for osteoporosis patients with vertebral fracture
山本 康洋
1
,
中山 善文
2
,
鈴木 有希
3
,
米川 正洋
1
Y. Yamamoto
1
,
Y. Nakayama
2
,
Y. Suzuki
3
,
M. Yonekawa
1
1光生会病院整形外科
2光生会病院リハビリテーション科
3光生会病院看護部
1Dept. of Orthop. Surg., Kouseikai General Hospital, Toyohashi
キーワード:
osteoporosis
,
romosozumab
,
alendronate
,
vertebral fracture
,
BMD
Keyword:
osteoporosis
,
romosozumab
,
alendronate
,
vertebral fracture
,
BMD
pp.801-805
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_801
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は じ め に
骨粗鬆症は慢性かつ進行性で,長期の継続治療を必要とする疾患である.脆弱性骨折をきたした場合,身体活動の低下1)や精神疾患2)など患者の生活に大きな弊害をきたす.
抗スクレロスチン抗体であるロモソズマブ(romosozumab:ROMO)は骨密度(bone mineral density:BMD)上昇効果の高い分子標的治療薬で,スクレロスチンをブロックすることで骨形成促進,吸収抑制作用のデュアルエフェクトを有する3),きわめて骨折抑制効果の高い治療薬であり,2019年3月より世界に先駆けてわが国で使用可能となった.月1回の皮下注射を12ヵ月間使用する薬剤であり,BMD上昇効果は前半6ヵ月で大きく,後半6ヵ月で緩やかとなる.また骨代謝マーカーの動向について,骨形成マーカーは投与1ヵ月の時点をピークに上昇し,その後漸減,骨吸収マーカーは投与開始早期~投与終了時で持続的に低下状態が継続する.そのため特に後半6ヵ月では,骨代謝マーカーはその他の骨吸収抑制薬と類似した動向となる.しかしながら,後半6ヵ月を実際に骨吸収抑制薬に切り替え,治療開始から1年後におけるBMDの変化率,骨代謝マーカーの動向について検討した報告はこれまでのところない.
本稿において,われわれは脆弱性骨折を有する患者に対し,ROMOを12ヵ月間投与した群と,ROMOを6ヵ月間投与後ビスホスホネート(BP)点滴投与に切り替え6ヵ月間投与した群の1年後の治療成績に関して検討したので報告する.
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