Japanese
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経験と考察
骨粗鬆症患者へのロモソズマブ3クール目の臨床成績,骨粗鬆症治療の取り組みと工夫
Clinical results of the third course of romosozumab and our approach to patients with osteoporosis
前田 浩行
1
,
前田 睦浩
1
H. Maeda
1
,
M. Maeda
1
1山本・前田記念会前田病院整形外科・麻酔科
1Dept. of Orthop. Surg. and Anesthesia, Yamamoto-Maeda Memorial Maeda Hospital, Higashikurume
キーワード:
romosozumab
,
osteoporosis
,
continue treatment
Keyword:
romosozumab
,
osteoporosis
,
continue treatment
pp.415-418
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_415
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はじめに
骨粗鬆症の患者は,「2019年国民生活基礎調査」で,推計約1,400万人いるといわれており,薬物治療を受けている患者は,人口1,000人あたりの疾患別通院率では,骨粗鬆症の患者は18.6人と高血圧症126.1人よりはるかに少ない.つまり,治療率の低さが骨粗鬆症の問題でもある.新規に骨粗鬆症薬物治療を開始した患者の服薬継続率は,1年間56.6%,2年間46.3%と継続率が低い1).当院の骨粗鬆症専門外来では,骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者のなかで,2022年までにロモソズマブの3クール目を開始している患者が多くいる.ロモソズマブの骨形成促進効果は,投与開始直後がもっとも強力に現れる一方で,骨吸収抑制効果は投与後急速に低下し弱く抑制された状態が維持される2).心血管系事象治療中の患者には注意しなければならないが,1ヵ月に1回の通院でよいことや病院で管理できるなど継続率が高い.当院での骨粗鬆症治療における継続率を高める取り組みとして院内フォーラムを定期的に行う,外来受診時の説明を工夫する,経過観察をしっかり行うといった取り組みを行っている.ロモソズマブ3クール目の臨床成績,骨粗鬆症治療における当院での取り組みと工夫している点を報告する.
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