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連載 卒後研修講座
母指手根中手(CM)関節症の診断と治療
Diagnosis and treatment of thumb corpometacarpal joint
池口 良輔
1
R. Ikeguchi
1
1京都大学リハビリテーション科
1Dept. of Rehabilitation Medicine, Kyoto University Graduate Scnool of Medicine, Kyoto
キーワード:
thumb
,
CM joint
,
basal joint
Keyword:
thumb
,
CM joint
,
basal joint
pp.449-455
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_449
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は じ め に
母指手根中手(CM)関節症は大菱形骨と第1中手骨との関節に生じる変形性関節症である.男性よりも女性に多く発生し,ピンチの際に母指基部に疼痛を自覚することにより機能障害が生じる.病期の進行と疼痛の程度は比例しないが,放置すると母指はCM関節が亜脱臼位で内転し,中手指節(MP)関節が過伸展し,指節間(IP)関節が屈曲するようなZ変形を呈するようになり,さらに手の機能障害がすすむことになる.治療法としては病期にかかわらず保存療法が主となり,効果のない場合に手術療法が選択される.1943年にGervisにより大菱形骨切除術が報告されて以来,さまざまな術式が報告されているが,どの術式が治療成績として優れているか結論は出ていない.
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