Japanese
English
論述
外傷性母指MP関節脱臼の検討
A Clinical Study on Dislocation of the Thumb Metacarpophalangeal Joint
谷口 泰徳
1
,
嶋 公大
1
,
木下 裕文
1
,
玉置 哲也
1
,
河原 史郎
2
,
辻 寛
3
Yasunori Taniguchi
1
1和歌山県立医科大学整形外科教室
2国保橋本市民病院整形外科
3辻整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Wakayama Medical College
キーワード:
母指
,
thumb
,
中手指節関節脱臼
,
metacarpophalangeal joint dislocation
Keyword:
母指
,
thumb
,
中手指節関節脱臼
,
metacarpophalangeal joint dislocation
pp.256-262
発行日 1991年3月25日
Published Date 1991/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900302
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抄録:外傷性母指MP関節脱臼に関するまとまった報告は少ない.今回われわれは,過去13年間に経験した12症例について,文献的考察を加え報告する.症例は,背側脱臼11例,掌側脱臼1例で,男性8例,女性4例,受傷時年齢は3~54歳であった.受傷原因はスポーツ外傷に多い傾向を認め,脱臼整復までの期間は受傷当日より3カ月であった.治療法は徒手整復8例,観血的整復4例であった.MP関節脱臼を背側脱臼,掌側脱臼の2型に分類し,過去の報告例とともに検討を加えた.整復障害因子は背側脱臼では掌側板とともに種子骨,側副靱帯,関節包,長母指屈筋腱であり,掌側脱臼では背側腱膜,関節包,掌側板,長母指伸筋腱,短母指伸筋腱であった.そのため観血的整復術は,背側脱臼では掌側進入がよく,掌側脱臼では背側進入が選択されると考えられた.また陳旧症例では関節固定術が適応となると思われた.
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