学会を聞く
第50回日本骨折治療学会
林 悠太
1
Y. Hayashi
1
1広島大学大学院四肢外傷再建学講座
1Dept. of Musculoskeletal Traumatology and Reconstructive Microsurgery, Graduate School of Biomedical and Health Science, Hiroshima University, Hiroshima
pp.1390-1393
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_1390
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1.は じ め に
2024年6月28日(金)~29日(土)の2日間,仙台市の仙台国際センターで,仙台徳洲会病院院長の井上尚美先生が会長を務められた,第50回日本骨折治療学会が開催された(図1).テーマは「覧古考新―半世紀の歩みと次への一歩―」であり,半世紀の節目を迎える本学会に際し,これまでの骨折治療の歩みを振り返り,次への一歩を踏み出す契機にしたいという会長の思いが込められているとのことであった(図2).「覧古考新」という言葉は中国二十四史の一つである漢書にあり,「過ぎ去った遠い前の時代の事をひろく,よくみてあたらしい事に工夫をめぐらす」という意味である.広く知られている「温故知新」と似たような意味であるが,過去をより深く理解するというニュアンスがより強い印象で,本学会により発展してきた日本の骨折治療をより理解しようという会長の意図が感じられた.
ポスターの背景には定禅寺通りのケヤキ並木の画像と「水浴の女」像が掲載されており,杜の都・仙台らしい鮮やかな緑が目をひいた.学会前から仙台を訪れることが楽しみになるようなポスターであった.学会ホームページの会長挨拶の最後に,仙台のおいしい食べ物とお酒,温泉を楽しんでもらいたいというメッセージがあり,会長のお言葉に従い,仙台に前日入りした際には一足伸ばして東北の名湯を堪能させていただき,翌日の学会参加に向けて英気を養った.
本学会の参加者数は2,450名,総演題数は797題と非常に盛会であった.
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