学会を聞く
第48回日本骨折治療学会
王 耀東
1
Y. Oh
1
1東京医科歯科大学大学院整形外傷外科治療開発学講座
1Dept. of Orthopaedic and Trauma Research, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo
pp.1418-1420
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1418
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2022年6月24日(金)・25日(土)の2日間,神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で,東邦大学医学部整形外科学講座の池上博泰教授が会長を務められた第48回日本骨折治療学会が開催された(図1).本学会のテーマは,わび茶を完成した千利休の教えを和歌の形式にまとめた利休道歌(りきゅうどうか)にある「規矩(きく)作法 守り尽くして破るとも 離るるとても本を忘るな」であった.この言葉は,師弟関係を重んじる世界でよく使われ,「教え(規則)を守り続けながら,いつしかそれを打ち破り離れていくことも大切であるが,基本精神(本質)を忘れてはならない」と規範の意味を述べたもので,本学会を通して骨折治療の「守,破,離」,そして基本(骨折した患者さんを骨折する前の状態になるべく早く戻すこと)が明らかとなり,骨折治療を通じて広く社会の人々の健康のために貢献できるようになるような学術集会にしたいという池上会長の思いが込められていた(図2).
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のオミクロン株BA.5という新系統の亜種が拡大し第7波に入る直前であったことが幸いし,現地参加を原則とし,主要プログラムのみ後日オンデマンド配信が行われるハイブリッド形式で開催された.本学会には1,350名もの現地参加者があり,face-to-faceのリアルな議論が全会場で活発に行われ,コロナ禍前の本来の姿を取り戻しつつあった(図3,4).最終的に,オンデマンド配信へのオンライン参加者も含めた参加者総数は1,760名であったと運営事務局よりお聞きした.
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