Vocabulary
Cdk1
田中 寛来
1
1獨協医科大学埼玉医療センター整形外科
pp.1356-1356
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_1356
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Cyclin-dependent kinase(Cdk:サイクリン依存性キナーゼ)は1970年代にNurseとHartwellらによって,細胞周期を調節する働きをもつ蛋白質としてはじめて同定された1,2).ヒトでは少なくとも20種類が知られている2).その中でもCdk1は,細胞周期の進行において中心的な役割をはたすセリン-スレオニンキナーゼである.Cdkは,その名のとおりCyclin(サイクリン)という特定の蛋白質と結合し,複合体を形成することで活性化されるが,Cdk1は,サイクリンBとの結合によりM期(有糸分裂期)を誘導し,細胞分裂に必要なプロセスを調整する.これらのプロセスは細胞分裂の正確な実行に不可欠である3).さらに,最近の研究ではCdk1が骨の形成やリモデリングにも重要な役割をはたしていることが明らかになり,骨生物学における新たな細胞周期の関与についての理解がすすんでいる.本稿では,Cdk1と骨の関連性に焦点を当て,その機能と重要性について詳述する.
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