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【要 旨】
目 的:変形性膝関節症(膝OA)に対し,楔状開大式高位脛骨骨切り術(OWHTO)を行った症例の術後再鏡視時の軟骨所見と,術後10年成績との関連を明らかにすることである.
対象および方法:膝OAの診断でOWHTOを行った症例のうち,術前および術後の2回の膝関節鏡検査を受け,10年以上追跡可能であった69膝を対象とした.Knee Society Scoreの膝関節スコアおよび機能スコアが1~10年後でminimal clinically important differenceを超えて悪化したもの(悪化群)と維持されたもの(維持群)に分けて,International Cartilage Repair Society(ICRS)の軟骨変性gradeを含む各因子と臨床成績の悪化との関連について評価した.
結 果:膝スコア悪化群(19膝)は,維持群(50膝)と比較して,術前の大腿骨滑車におけるICRS gradeが有意に進行しており,術後の大腿骨外側と脛骨外側におけるICRS gradeが有意に進行していた.機能スコア悪化群(24膝)は,維持群(45膝)と比較して,術前の大腿骨外側,脛骨外側,膝蓋骨におけるICRS gradeが有意に進行しており,術後の大腿骨外側,脛骨外側,大腿骨滑車におけるICRS gradeが有意に進行していた.多変量解析により,術後の外側コンパートメントにおけるICRS grade進行が膝スコアおよび機能スコアの両方の悪化に関連する因子であることが示された.
結 論:膝OAに対するOWHTO後10年における臨床成績の悪化は,術後の外側コンパートメントの軟骨変性と関連することが明らかになった.
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