四肢関節の骨切り術 膝関節
開大式楔状高位脛骨骨切り術の合併症に対する予防と治療
中村 立一
1
1やわたメディカルセンター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
脛骨
,
脛骨骨折
,
抗感染剤
,
骨切り術
,
内固定法
,
術後合併症
,
発生率
,
骨代用物
,
人工器官機能不全
,
治療成績
,
体内埋込み具の除去
,
腓骨神経障害
,
変形性膝関節症
,
術後感染症
,
骨折-補綴物周囲
Keyword:
Anti-Infective Agents
,
Fracture Fixation, Internal
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Prosthesis Failure
,
Postoperative Complications
,
Tibia
,
Tibial Fractures
,
Incidence
,
Treatment Outcome
,
Bone Substitutes
,
Osteoarthritis, Knee
,
Peroneal Neuropathies
,
Device Removal
,
Periprosthetic Fractures
pp.824-830
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017373521
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変形性膝関節症に対する開大式楔状高位脛骨骨切り術(OWHTO)の主な合併症の予防と治療について検討した。OWHTO 357膝(男性80例、女性272例、平均年齢63.8±8.8歳)を対象とした。平均経過観察期間は3.8±2.5年であった。検討の結果、膝窩動脈損傷や有症候性の深部静脈血栓症、肺塞栓症などの重篤な合併症はなかった。1例(0.3%)に腓骨神経麻痺を生じたが、術後3ヵ月で完全に回復した。術後2ヵ月の早期感染1例と術後1年以上で発症した遅発性感染3例は、ともに感染時に骨癒合しておりプレート抜去と抗菌薬投与で軽快した。また、Takeuchi分類type IIの外側ヒンジ骨折(LHF)を3例(0.8%)に、type IIIのLHFを12例(3.4%)に生じた。OWHTOは閉鎖式楔状高位脛骨骨切り術に比べて簡便な手術ではあるが、多くの合併症の危険性が潜んでいるため、手術の各ステップでしっかりとツボを押さえて一つ一つ確実にすすめることが重要である。
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