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Spine & Spinal Cord Volume 38, Issue 3 （February 2025）

脊椎脊髄ジャーナル 38巻3号（2025年2月発行）

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特集これだけは避けたい！脊椎脊髄手術の重篤な合併症とその対策

腰椎前方側方固定術—血管・腸管・尿管損傷 Intraoperative Complications in Anterior and Lateral Lumbar Interbody Fusion: Vascular, Peritoneal/Intestinal, and Ureteral Injuries 折田純久 ^1,2 , 稲毛一秀 ² , 志賀康浩 ² , 井上雅寛 ² , 大鳥精司 ² Sumihisa ORITA ^1,2 , Kazuhide INAGE ² , Yasuhiro SHIGA ² , Masahiro INOUE ² , Seiji OHTORI ² ¹千葉大学フロンティア医工学センター ²千葉大学大学院医学研究院整形外科学 ¹Center for Frontier Medical Engineering（CFME）, Chiba University キーワード：腰椎前方側方固定術 , lumbar lateral interbody fusion , LLIF , 術中合併症 , intraoperative complications , 正常解剖 , normal anatomy Keyword: 腰椎前方側方固定術 , lumbar lateral interbody fusion , LLIF , 術中合併症 , intraoperative complications , 正常解剖 , normal anatomy pp.169-173

発行日 2025年2月25日 Published Date 2025/2/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120380030169

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術中合併症からみるLIF手術

　腰椎前方側方固定術（lumbar lateral interbody fusion：LIF）において問題となる合併症は，おおよそ神経系合併症〔大腰筋内の神経（陰部大腿神経や腰部脊髄神経など）の障害・損傷による大腿部を中心とした術後一過性の知覚障害・しびれ（6.0〜13.5％）〕，血管損傷〔分節動静脈（1.1〜1.3％）〕，尿管損傷（0.5〜1％）などに大別される．Oblique LIF（OLIF）術後155症例に対する多施設調査によると，周術期合併症全体の発生率は48.5％に上るとされているが，これは一過性のしびれなどの軽微なものやケージ挿入に伴う終板損傷など合併症とは呼びがたいものも含まれており，これを除くとおおよその合併症発生率は25％程度，その中でもさらに永続的な障害は1.2％程度であったと報告された^1,3）．したがって，神経合併症以外の3要素（血管・腸管・尿管損傷）について解剖の特徴を理解し，さらにはアプローチの対象となる後腹膜腔に含まれる臓器を理解することで，より安全・確実な手技が可能となる．