大腿骨転子部骨折における専用プレートを用いた後外側骨片の固定

Fixation of posterior lateral fragment of trochanteric femoral fractures using dedicated plate

は じ め に

　大腿骨転子部骨折でみられる後外側骨片には中殿筋，外旋筋群が付着しており，その骨片の整復や骨癒合は術後の股関節機能や歩行能力に影響する可能性がある．また，後外側骨片を整復固定することで髄内でのネイルの動きが減少し，ラグスクリューの過度のスライディングも減るかもしれない．2020年に発売されたOLSA（帝人ナカシマメディカル社）は，この後外側骨片を把持，固定する国内初のインプラントであり，筆者は現在までに163例の大腿骨転子部骨折手術に使用してきた．OLSAの特徴，手術法，手術での工夫について述べ，OLSAを使用した症例の詳細を後ろ向きに調査したので報告する．