超音波を併用した鏡視下Broström法を施行した2例

Ultrasound-assisted arthroscopic Broström in patients with lateral ankle instability：report of two cases

　足関節外側靱帯損傷は代表的な下肢外傷の一つである．まずは保存的治療が第一選択となるが，足関節不安定性が残存する症例や，スポーツ時に疼痛のためにパフォーマンスが低下する症例に対しては手術的治療が選択される．鏡視下Broström法は残存した前距腓靱帯（anterior talofibular ligament：ATFL）を用いた解剖学的修復術であり，低侵襲手術として近年報告が増えてきている．一方で，浅腓骨神経損傷の合併症や，ラーニングカーブも存在^1）するため，ATFLが鏡視しにくい症例では十分な強度で正確にATFLに縫合糸をかけることが時に困難である^2）．われわれは遠位脛腓靱帯損傷を合併したATFL損傷の2例に対して超音波を用いてATFLに縫合糸をかけ鏡視下Broström法を施行し，良好な成績が得られたため報告する．