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Orthopedic Surgery Volume 71, Issue 3 （March 2020）

臨床雑誌整形外科 71巻3号（2020年3月発行）

Japanese English

経験と考察

徒手整復不可能である内反型変形性足関節症に対する鏡視下足関節固定術の適応 Arthroscopic ankle arthrodesis with anteroinferior tibiofibular ligament transection for varus ankle osteoarthritis 上條哲 ¹ , 熊井司 ² , 黒川紘章 ³ , 田中康仁 ³ S. Kamijo ¹ , T. Kumai ² , H. Kurokawa ³ , Y. Tanaka ³ ¹藤森病院整形外科 ²早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学部 ³奈良県立医科大学整形外科 ¹Dept. of Orthop. Surg., Fujimori Hospital, Matsumoto キーワード： arthroscopic ankle arthrodesis , tibiofibular ligament , varus ankle osteoarthritis Keyword: arthroscopic ankle arthrodesis , tibiofibular ligament , varus ankle osteoarthritis pp.215-218

発行日 2020年3月1日 Published Date 2020/3/1

DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_215

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参考文献 Reference

はじめに

　鏡視下足関節固定術（arthroscopic ankle arthrodesis：AAA）は，1980年代に報告されて以後，末期変形性足関節症の手術療法として効果的で低侵襲である治療とされている^1,2）．しかしながら，内反アライメントが15°未満を適応とする報告が多く^3），徒手整復不可能な強い内反型の変形性足関節症への適応はむずかしかった．一方で，内反を生じる原因に関して，「遠位脛腓靱帯の機能不全で脛腓間が離開していない症例ほど内反変形が進行する」という2017年の日本整形外科学会での黒川らの報告^4）があり，これをふまえて，遠位脛腓靱帯切離を施行すれば内反の矯正が可能になると考え，徒手整復不可能な強い内反症例に対して鏡視下前下脛腓靱帯切離（arthroscopic anteroinferior tibiofibular ligament transection：AATLT）を加えたAAAを施行したので結果を検討する．