Japanese
English
臨床室
臨床所見と経時的なMRI画像変化により確定診断にいたった脊髄梗塞の1例
Utility of clinical symptoms and followed MRI for spinal cord infarction;report of a case
釜谷 佳幸
1
,
田中 誠人
2
,
重松 英樹
2
,
衣川 和良
1
,
横井 一之
1
,
田中 康仁
2
Y. Kamatani
1
,
M. Tanaka
2
,
H. Shigematsu
2
,
K. Kinugawa
1
,
K. Yokoi
1
,
Y. Tanaka
2
1岡波総合病院整形外科
2奈良県立医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Okanami General Hospital, Iga
キーワード:
spinal cord infarction
,
anterior spinal artery syndrome
,
MRI
Keyword:
spinal cord infarction
,
anterior spinal artery syndrome
,
MRI
pp.753-755
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_753
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脊髄梗塞は急性発症する両下肢麻痺の原因となるが,発生頻度は低く,病態に関しては不明な点が多い1).発生頻度は脳梗塞発症の約1%程度であり2),そのうち二次的に発生した脊髄虚血の症例を除いた特発性脊髄梗塞は28~74%であるといわれている3~5).過去の報告では脊髄梗塞の原因として大動脈解離,大血管手術の合併症,アテローム性動脈硬化,心原性塞栓,凝固異常,脊椎疾患,外傷性,薬剤性など多数の原因があげられているが6),大血管疾患による二次的発生以外の原因は特定することが困難ともいわれている1).本稿では大血管疾患による二次的発生の脊髄梗塞を除いたものを特発性脊髄梗塞と定義する.今回われわれは臨床所見とMRIの経時的画像変化により特発性脊髄梗塞の診断にいたった症例を提示し,脊髄梗塞の診断に関して文献的考察を加えて報告する.
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