Medial pivot型人工膝関節全置換術はposterior-stabilised型人工膝関節全置換術より良好な臨床結果をもたらす

Medial pivot-based total knee arthroplasty achieves better clinical outcomes than posterior-stabilised total knee arthroplasty

【要　旨】

　目　的：前方動揺性と臨床スコアに基づき，medial pivot型（MP）とposterior-stabilised型（PS）の人工膝関節全置換術（TKA）の臨床成績を比較・検討することである．

　対象および方法：内側型変形性膝関節症に対するTKAの結果を評価するため，術後6ヵ月でKS-Measure Arthrometer（シグマックス社）を用いて大腿骨に対する脛骨の前方移動距離を屈曲30°と60°で測定した．術後6ヵ月と1年目に2011 Knee Society Score（KSS），Forgotten Joint Score-12（FJS），疼痛visual analogue scale（VAS），可動域を評価した．

　結　果：対象はMP群70例，PS群51例であった．MP群はPS群に比べ，60°屈曲位でのKS-Measure前方移動距離が有意に少なかった．さらに，MP群はPS群に比べ疼痛VAS，KSS，FJSにおいても有意に良好な結果を示した．また前方移動距離とKSSの活動性のスコアと負の相関を認めた．

　結　論：前方移動距離と機能スコアに負の相関がみられたことから，MP TKAはPS TKAと比較して術後機能を有意に向上させると考えられた．