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【要 旨】
目 的:内側安定性と外側弛緩性を許容したmedial preserving gap technique(MGT)を用いて行ったPS型人工膝関節全置換術(TKA)における術中軟部組織バランスを従来のmeasured resection technique(MRT)での軟部組織バランスと比較・検討する.
対象および方法:内反型膝変形性関節症(OA)に対してPS型TKAを行った275例でmedial preserving gap technique(127例),measured resection technique(148例)を対象とした.大腿骨コンポーネントトライアルが設置された状態でOffset Repo-Tensor(OFR tensor:Zimmer社,Warsaw)を用いて40ポンドの関節引き離し力を加え術中軟部組織バランスを計測し,膝伸展から屈曲までの各肢位で内外側compartment gap(mm)を測定し,さらに膝伸展0°でのcompartment gapから膝各屈曲角度におけるcompartment gapの変化量を,内外側joint gap changes(mm)と定義し評価した.
結 果:MGTにおける内外側joint gap changeはMRTに比べ有意に小さかった(平均差:内側0.9±0.2mm,外側1.0±0.3mm).さらに,MRTでは膝屈曲に伴いjoint gap changeが有意に変化していた一方で,MGTでは膝中間~深屈曲域においてjoint gap changeは有意な変化はなかった.
結 論:MGTは,MRTに比べてより安定した術中軟部組織バランスを示し,同方法がPS型TKAにおいてより安定した軟部組織バランスを得るのに有用な可能性が示された.
© Nankodo Co., Ltd., 2020