整形トピックス
Athlete Giftednessからみた運動機能解析
中道 亮
1,2,3
,
淺原 弘嗣
2,4
1東京医科歯科大学大学院システム発生・再生医学分野
2スクリプス研究所分子医学部門
3岡山大学整形外科
4東京医科歯科大学システム発生・再生医学分野
pp.358-358
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_358
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運動能力の特性には遺伝的素因(Athlete Giftedness)が関与することが示唆されている.たとえば,国際的なスポーツ大会における競技記録をみると,瞬発系の競技と持久系の競技,それぞれに強い地域が存在する1).ACTN3のR577X多型は,筋パフォーマンスと関連があり,筋代謝をより効率のよい有酸素経路に移行させることで持久力に影響を与え,逆に瞬発力に不利な影響を及ぼす2).また,ACEの変異体であるI/D多型は,遺伝子のイントロン16に287塩基対(bp)のAluが挿入されたもので,D対立遺伝子は筋力と関連し,I対立遺伝子は持久力と関連している3).一方,瞬発力と強く相関するヒトの遺伝子多型は長らく不明であったが,近年,瞬発力に関与する可能性のあるヒト遺伝子多型として,PIEZO1のE756 del多型が報告された4,5).
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