Japanese
English
特集 表面筋電図による動作解析
嚥下運動の解析
Analysis of Swallowing Movement utilizing Electromyogram.
山本 智矢
1
,
小宮山 荘太郎
1
Tomoya Yamamoto
1
,
Sohtaro Komiyama
1
1九州大学医学部耳鼻咽喉科
1Department of Otorhinolaryngology, Faculty of Medicine, Kyushu University
キーワード:
嚥下
,
誤嚥
,
筋電図
,
嚥下中枢
,
QOL
Keyword:
嚥下
,
誤嚥
,
筋電図
,
嚥下中枢
,
QOL
pp.1037-1041
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109098
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はじめに
嚥下は生命維持に重要な機能であり,嚥下が正しく行われるためには口腔,舌,咽頭,喉頭,食道の知覚と円滑な協調運動が必要である.嚥下に関係する器官は呼吸機能や音声機能と共通であり,その中枢調節も互いに密接に関連している.
最近の医療の高度化により,脳血管障害や腫瘍性疾患の急性期において多くの患者を救命することが可能となった.しかし,慢性期に残存した嚥下障害は患者の社会復帰の妨げとなるだけでなく,Quality of Life(QOL)を大きく損ない,さらには誤嚥による肺炎により生命予後をも大きく損なうことになる.したがって,高齢化の進む現状では,嚥下障害の正しい診断と治療は患者のQOLを保つうえでますます重要となっている.
本稿では,嚥下のメカニズムとそれに関係する神経,筋肉の活動を解説し,表面および筋電図の導出法と診断について述べる.
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