下腿浮腫を合併した下腿挫傷がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌皮下膿瘍に進展したremitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema症候群の1例

Subcutaneous abscess caused by methicillin-resistant Staphylococcus aureus during treatment of bruise wound with lower extremity edema in remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema syndrome：report of a case

　Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema（RS3PE）症候群は，1985年にMcCartyらにより提唱された疾患である．① 60歳以上の高齢者（男：女＝4：1）に多い，② 圧痕浮腫を伴う（ボクシンググローブハンド），③ リウマトイド因子陰性である，④ X線像で関節破壊がない，⑤ 比較的急性に発症する対称性滑膜炎があることを特徴とする．発症が突然であることも特徴である．悪性腫瘍を合併することもあり，血清マトリックスメタロプロテアーゼ-3（MMP-3）や血管内皮成長因子（VEGF）が増加するとされる．治療ではステロイド治療が奏効すると報告されている^1～5）．