Japanese
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連載 卒後研修講座
半月板損傷に対する手術的治療
Surgical treatment of meniscus injury
吉原 有俊
1
,
古賀 英之
1
A. Yoshihara
1
,
H. Koga
1
1東京医科歯科大学大学院運動器外科学分野
1Dept. of Joint Surgery and Sports Medinine, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo
キーワード:
meniscus injury
,
arthroscopic surgery
,
Save The Meniscus
Keyword:
meniscus injury
,
arthroscopic surgery
,
Save The Meniscus
pp.1189-1195
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1189
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は じ め に
半月板は膝関節の大腿骨/脛骨間の内・外側それぞれに存在する線維軟骨であり,膝関節における関節軟骨の保護(力学的な荷重分散,衝撃吸収,滑動)および膝関節の安定化にかかわる重要な構造物である1,2).スポーツ活動や日常生活上のアクシデントによって特に膝関節にひねりの力が加わった際,あるいは加齢などの変性により軽微な外力で損傷し,痛みが生じ,またその構造破綻による機能障害を引き起こしうる.安静や理学療法などの保存的治療により改善することも十分あるが,手術が必要になるケースもある.過去には半月板全切除を含む切除術が一般的であった時代もあるが,部分切除でも変形性膝関節症の危険因子になることが現在では広く受け入れられている3~6).近年ではヨーロッパを中心に “Save The Meniscus” というキャッチフレーズが叫ばれており,半月板の構造・機能維持が重要と考えられている7).
本稿は卒後研修医を対象として,半月板損傷の診断と手術適応,そして手術的治療法と後療法について,臨床上重要な点を解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023