Japanese
English
経験と考察
脊椎固定スクリューの弛みに対するロッド切断抜去術
Extraction of loosening screw by rod cut after spinal fusion
小島 利協
1
,
武村 憲治
1
,
柏崎 裕一
1
,
河合 孝誠
1
,
大藤 勇樹
1
T. Kojima
1
,
K. Takemura
1
,
Y. Kashiwazaki
1
,
K. Kawai
1
,
Y. Oto
1
1磯子中央病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Isogo Central Hospital, Yokohama
キーワード:
loosening screw
,
rod cut
,
extraction
Keyword:
loosening screw
,
rod cut
,
extraction
pp.1151-1155
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1151
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は じ め に
超高齢社会を迎えて多椎間高度変性・骨粗鬆症性椎体骨折・後側弯変形などに対して広範囲(4椎間以上)・長範囲(6椎間以上)脊椎固定術を行う機会が増え1,2),固定術後の隣接椎間障害や続発骨折に対してロッド連結固定延長術を行うことが多くなった3,4).脊椎固定スクリューの弛みは頻繁に遭遇する合併症であるが,疼痛は自制内であることが多く積極的な治療対象にはならない.われわれは2020年10月から術野でのロッド切断手技を導入し,ロッド切断連結固定延長術を始めた5).ロッドを切断することにより,弛んだスクリューを抜去して固定延長することが可能となった.ロッド切断手技が容易であることがわかり,2020年11月からは脊椎固定スクリューの弛みによる疼痛に対してロッド切断スクリュー抜去術を始めた.弛みによる疼痛を放置してスクリュー孔がさらに拡大すると,骨折や脊髄症状を起こす危険性があり,疼痛が軽度であってもスクリューの弛みが原因である場合には,早期スクリュー抜去術をすすめている.
本稿ではスクリューの弛みによる疼痛の特徴を検討して,ロッド切断によるスクリュー抜去術の手術適応と手技について考察した.
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