Japanese
English
創意と工夫
手外科手術における市販の眼鏡型拡大鏡の有用性
Usefulness of an eyeglass-shaped loupe for hand surgery
金谷 耕平
1
,
射場 浩介
2
,
山下 敏彦
2
K. Kanaya
1
,
K. Iba
2
,
T. Yamashita
2
1JR札幌病院整形外科
2札幌医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., JR Sapporo Hospital, Sapporo
キーワード:
hand surgery
,
eyeglass-shaped loupe
,
commercial
Keyword:
hand surgery
,
eyeglass-shaped loupe
,
commercial
pp.978-981
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_978
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は じ め に
近代手外科の創始者であるBunnellは,手外科手術においてもっとも重要なことは “atraumatic”,すなわち組織を愛護的に扱うことである1)と述べた.Atraumatic surgeryには,無血野での手術,メスや攝子,ハサミなどの適切な使用,手術時間の短縮,上肢や体幹の安定などが必要である1).さらにGreenは,atraumatic surgeryには術野の拡大が重要であり,すべての手外科医は拡大鏡(ルーペ)の使用に習熟すべきである2)と述べている.2.5~4.5倍の手術用拡大鏡は,高額であるが手外科医の必須なアイテムであると指摘した.
現在市販されている眼鏡型拡大鏡はいわゆる老眼鏡ではなく,虫眼鏡などと同様の原理で文字などを拡大する拡大鏡である.一定の作業距離のなかで対象物を拡大して大きくみることができ,両手を自由に使うことができる.その用途は手外科手術で用いられる手術用拡大鏡と同様である.筆者らは,安価で焦点距離の調節が不要である市販の眼鏡型拡大鏡の手外科手術における実用可能性に着目した.本研究の目的は,手外科手術において市販の眼鏡型拡大鏡の有用性を評価することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2022