Japanese
English
経験と考察
橈骨遠位端骨折患者におけるビタミンD充足度
Sufficiency level of vitamin D in distal radius fracture patients
畑中 渉
1
W. Hatanaka
1
1札幌中央病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Sapporo Central Hospital, Sapporo
キーワード:
vitamin D
,
sufficiency level
,
distal radius fracture
Keyword:
vitamin D
,
sufficiency level
,
distal radius fracture
pp.415-417
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_415
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は じ め に
日本内分泌学会,日本骨代謝学会,厚生労働省難治性疾患克服研究事業ホルモン受容機構異常に関する調査研究班がまとめた『ビタミンD不足・欠乏の判定指針』1)によると,血清25-ヒドロキシ水酸化ビタミンD(ビタミンD)濃度30ng/ml以上をビタミンD充足状態,30ng/ml未満をビタミンD非充足状態とし,さらに20ng/ml以上30ng/ml未満をビタミンD不足,20ng/ml未満をビタミンD欠乏と判定すると定義されている.ビタミンD不足は,骨粗鬆症・骨折の重要な危険因子である一方で,一般日本人のビタミンD充足率は非常に低いことが報告されている1,2).
Sontagら3)によると骨粗鬆症性骨折の初発部位は,橈骨,脊椎の順に多いと報告されている.本研究では,上肢骨折患者ではビタミンD非充足状態が多いため,橈骨遠位端骨折が起こりやすいと仮定し,骨粗鬆症性骨折の初発部位として頻度の高い橈骨遠位端骨折患者と椎体骨折患者の血清ビタミンD濃度を測定し比較した.
© Nankodo Co., Ltd., 2022