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連載 最新原著レビュー
頚椎椎弓形成術後C5麻痺発症に対する後頚部筋群の影響
Impact of multifidus muscle swelling on C5 palsy after cervical laminoplasty
宇佐美 嘉正
1
,
中矢 良治
1
,
羽山 祥生
1
,
中野 敦之
1
,
藤城 高志
1
,
根尾 昌志
1
Y. Usami
1
,
Y. Nakaya
1
,
S. Hayama
1
,
A. Nakano
1
,
T. Fujishiro
1
,
M. Neo
1
1大阪医科薬科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka Medical and Pharmaceutical University, Takatsuki
キーワード:
C5 palsy
,
laminoplasty
,
postoperative upper limb palsy
Keyword:
C5 palsy
,
laminoplasty
,
postoperative upper limb palsy
pp.280-282
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_280
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【要 旨】
目 的:頚椎椎弓形成術直後における後頚部筋群の変化とC5麻痺発症の相関を調査すること.
対象および方法:当院で頚椎椎弓形成術を行った107例(男性66例,女性41例,平均65.9歳),その左右の第5頚神経,計214神経を対象とした.頚椎椎弓形成術は両開き式で行い,全例術後MRI(術後平均8.7日)を撮像した.患者情報,手術内容,各画像測定値を検討するパラメータとした.C4/C5レベルでのMRIの横断面から頭板状筋,頭半棘筋,頚半棘筋,多裂筋,最長筋の面積を計測し,術前後で横断面積の変化率をC5麻痺群と非C5麻痺群で比較・検討した.
結 果:C5麻痺は5例に発生し,2例が両側例であり計7神経の麻痺を認めた.ロジスティック回帰分析ではBMIと多裂筋の変化率が有意にC5麻痺に関与し(p<0.05),他のパラメータや筋群では有意差がなかった.
結 論:術後多裂筋の腫脹はC5麻痺発症に有意に影響を与えていた.術中,後頚部筋群への愛護的操作がC5麻痺発生に対する新たな予防策となりうる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022