非転位型大腿骨頚部骨折に対するcannulated cancellous hip screwを用いた骨接合術の治療成績

Clinical outcome of osteosynthesis for undisplaced femoral neck fractures using cannulated cancellous hip screw

は じ め に

　大腿骨頚部骨折は骨癒合しにくい骨折として知られ，非転位型でも偽関節となる症例がある．大腿骨頚部骨折の手術方法として，非転位型には骨接合術を，転位型には人工骨頭置換術を選択するのが一般的である．近年，超高齢者の症例が増加しており，手術法の選択に迷うことが少なくない．われわれは，非転位型にはcannulated cancellous hip screw（CCHS）を用いた骨接合術を第一選択として行ってきたが，特に85歳以上の超高齢者では成績不良例を経験することも少なくない．本研究では非転位型大腿骨頚部骨折に対してCCHSを用いて骨接合術を行った症例の治療成績を調査し，治療法の選択について検討した．