Japanese
English
連載 卒後研修講座
大腿骨ステム周囲骨折に対する治療戦略
Therapeutic strategy for periprosthetic femoral fractures
馬場 智規
1
T. Baba
1
1順天堂大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Juntendo University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
periprosthetic femoral fracture
,
Vancouver classification
,
Baba classification
,
revision hip arthroplasty
,
ostheosynthesis
Keyword:
periprosthetic femoral fracture
,
Vancouver classification
,
Baba classification
,
revision hip arthroplasty
,
ostheosynthesis
pp.1273-1281
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1273
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
健康寿命の延伸とともに高い生活の質(QOL)が獲得できる人工股関節全置換術(THA)は増加傾向にある.その合併症の一つである大腿骨ステム周囲骨折の発生頻度は初回THAの術後10年で約1.5%,再置換術後で約6.5%と報告されており,適切な治療を標準的に行うことは喫緊の課題である1,2).本骨折は比較的高齢者に多いため,全身状態不良例や骨折部の安定性などを総合的に判断して保存的治療を選択することもあるが,早期の離床や可動域訓練などを考慮して原則手術を選択する.
手術的治療は難渋することが多く,その要因として,① インプラントの弛みの有無で治療方針が異なるにもかかわらず,その見極めがむずかしいこと,② 近位骨片の髄腔内にインプラントが存在するため内固定に工夫を要すこと,③ 再置換術が必要な場合,骨折部の安定化を図るために骨接合術も同時に行わなければならないことがあげられる.
本稿では,上記三つの要因についての対処法を中心に解説を行う.
© Nankodo Co., Ltd., 2022