Japanese
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経験と考察
大腿骨転移性骨腫瘍を掻爬,術後放射線照射および骨セメント/インプラントを用いた再建により治療した経験
Clinical experience of curettage, post-operative radiotherapy and reconstruction with bone cement/implant for metastatic femoral bone tumors
増井 文昭
1
F. Masui
1
1千葉西総合病院整形外科・関節外科センター
1Dept. of Orthop. Surg. and Joint Reconstruction Center, Chiba Nishi General Hospital, Matsudo
キーワード:
curettage
,
radiotherapy
,
oxygenation
,
bone cement
Keyword:
curettage
,
radiotherapy
,
oxygenation
,
bone cement
pp.121-126
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_121
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は じ め に
癌は骨転移を起こすことが多く,患肢機能が低下するため,生活の質(QOL)上問題となり,手術方法の選択で難渋することがある.癌骨転移患者の多くは高齢者で,転移をきたしている段階で基本的には進行癌である.限られた余命,さまざまな合併症,骨粗鬆症などの問題があり,一番重要なことは余命期間のロコモティブシンドロームの回避,QOL向上である.予後に応じて術式選択が行われ,予後不良な患者では緩和的手術,中等度以上の予後の患者に対しては機能や局所コントロールを考慮して掻爬や切除のうえで再建が行われる.近年,癌治療の向上に伴い,長期生存例も増加してきており,今後,インプラントの弛み/折損,感染などのインプラント関連合併症(implant related complication:IRC)が臨床上,問題になってくる1,2).
本研究では,当科で手術的治療を行った大腿骨転移例のうち,掻爬,術後放射線照射および骨セメント/インプラントを用いた再建を施行した4例について検討した.IRC予防目的で照射量を8Gyに減量して治療を行った症例の術後成績を含めて報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022