Japanese
English
誌上シンポジウム 人工股関節手術における骨セメント使用時の工夫と問題点
骨セメントを使いこなすための基礎知識
Basic Knowledge of Bone Cement Prior to Clinical Application
高木 理彰
1
,
川路 博之
2
,
小林 真司
1
,
高窪 祐弥
1
,
朴 哲
1
,
大楽 勝之
2
,
石井 政次
2
Michiaki Takagi
1
,
Hiroyuki Kawaji
2
,
Shinji Kobayashi
1
,
Yuya Takakubo
1
,
Piao Zhe
1
,
Katsuyuki Dairaku
2
,
Masaji Ishii
2
1山形大学医学部整形外科
2済生会山形済生病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Yamagata University School of Medicine
2Deaprtment of Orthopaedic Surgery, Saiseikai Yamagata Saisei Hospital
キーワード:
骨セメント
,
bone cement
,
ポリメタクリル酸メチル
,
polymethylmethacrylate
,
基礎知識
,
basic knowledge
Keyword:
骨セメント
,
bone cement
,
ポリメタクリル酸メチル
,
polymethylmethacrylate
,
基礎知識
,
basic knowledge
pp.623-630
発行日 2007年7月25日
Published Date 2007/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101082
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ポリメタクリル酸メチル(polymethylmethacrylate:PMMA)を主成分とする骨セメントは整形外科領域で広く使用され,半世紀にも及ぶ長い歴史を持つ.PMMA骨セメントのほかにガラスイオン共有結合性セメント,リン酸カルシウムとPMMAからなる生体活性ガラスセメント,リン酸カルシウムやポリプロピレン-フマル酸からなる吸収性セメントが開発されてきたが,今のところ人工股関節でインプラントや骨との境界面の過酷な生体力学負荷に長期にわたって十分耐えうることが示されているのはPMMA骨セメントのみである.
人工股関節手術で骨セメントの果たす役割は大きく,インプラントの固定や骨インプラント間の充塡剤として用いられ,インプラントから伝達される応力を上手く周囲の骨に伝え,さらに適度な応力分布や応力の緩和によって,安定した関節機能の維持と人工関節周囲の骨のリモデリングに貢献する.適切な手術手技とインプラントの選択によって,セメント使用人工股関節の安定した長期成績を得ることが示されているが,セメント固定人工股関節手術に臨むにあたっては,骨セメント使用時の操作に習熟することと合わせて,骨セメントの物理化学的性状を理解することが大切である.ここではPMMAを主成分とする骨セメントの基礎について概説する.
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