誌説
運動器疾患治療のめざすところ
齋田 良知
1
1順天堂大学整形外科・スポーツ診療科スポーツ医学・再生医療講座特任教授
pp.1028-1028
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1028
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わが国の65歳以上人口は,昭和25年には総人口の5%に満たなかったが,昭和45年に7%を超え,さらに,平成6年には14%を超えた.高齢化率はその後も上昇を続け,令和2年10月には28.8%に達しており,令和18年には33.3%にいたると推計されている(令和3年版厚生労働白書).一方で,65歳以上人口と現役世代(15~64歳)人口の比率は,昭和25年には65歳以上1人に対して12.1人の現役世代がいたが,平成27年には2.3人になり,令和18年には1.7人になると推計されている.つまり,15年後には3人に1人が65歳以上となる時代を日本は迎えようとしている.高齢化の速度(高齢化率が7%を超えてから14%に達するまでの倍加年数)を他国と比較すると,フランスが126年,スウェーデンが85年,アメリカが72年,イギリスが46年,ドイツが40年に対し,わが国は24年と欧米諸国と比較し急速に高齢化がすすんでいることがみてとれる.急速な超高齢社会に対応するための社会保障制度の整備がなかなか追い付かないのも納得がいくデータである.
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