Japanese
English
経験と考察
月状骨窩掌側骨片を有する橈骨遠位端骨折に対する関節縁プレート固定の治療成績
Clinical outcomes of rim plate fixation for distal radius fractures with a volar lunate facet fragment
森谷 浩治
1
,
山本 耕平
2
K. Moriya
1
,
K. Yamamoto
2
1新潟手の外科研究所
2東住吉森本病院整形外科・リウマチ科
1Niigata Hand Surgery Foundation, Niigata
キーワード:
distal radius fracture
,
rim plate
,
volar lunate facet fragment
Keyword:
distal radius fracture
,
rim plate
,
volar lunate facet fragment
pp.1029-1035
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1029
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は じ め に
月状骨窩掌側(volar lunate facet:VLF)骨片を有する橈骨遠位端骨折のなかには,掌側ロッキングプレート(palmar locking plate:PLP)固定を実施した後に,VLF骨片が近位または尺側へ転位し,さらには手根骨掌側亜脱臼にいたる症例が存在する1~4).このVLF骨片を含む関節辺縁部に生じた骨折を治療するため,2019年に筆者らはDual Loc Radii V3(メイラ社,名古屋)を開発した.V3は遠位設置型プレートであるDual Loc Radii V7(メイラ社)の遠位端に薄いサポートを付けた単軸型の関節縁プレートになる.本プレートでは最遠位のねじが関節内へ穿破することを防ぐ目的で,ねじの挿入傾斜角を3°に減じた.これによって今まで以上にプレートを遠位設置することが可能になっただけでなく,プレート・アーム部尺側にも薄いサポートを設けてあるのでVLF骨片をより広く被覆することができる(図1).本研究では,VLF骨片を有する橈骨遠位端骨折に対する関節縁プレートV3の治療成績を調査したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022