Japanese
English
経験と考察
腰部選択的神経根ブロックの適応と限界
Clinical indication and limitation of lumbar selective nerve root block
野村 裕
1
,
野村 茂治
1
H. Nomura
1
,
S. Nomura
1
1野村整形外科
1Nomura Orthopaedic Clinic, Shimonoseki
キーワード:
lumbar selective nerve root block
,
lumbar disc herniation
,
lateral lumbar disc herniation
,
LSS
,
lumbar foraminal stenosis
Keyword:
lumbar selective nerve root block
,
lumbar disc herniation
,
lateral lumbar disc herniation
,
LSS
,
lumbar foraminal stenosis
pp.841-844
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_841
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は じ め に
腰部選択的神経根ブロック(selective nerve root block:SNRB)は,腰殿部下肢痛疾患に対して腰椎椎間孔から脊柱管外に出た脊髄神経根を椎間孔出口近傍で選択的に局所麻酔薬とステロイドを注入してブロックする方法であり,根性神経痛の責任高位診断と疼痛状態の消失の治療効果の二つの目的がある.SNRBは短期の除痛効果には有効であるが,長期効果については限定的であるとの報告があり1),『腰痛診療ガイドライン2019』において,SNRBは “行うことを弱く推奨する” にとどまる2).一方,SNRBは責任高位診断のみならず,その効果持続の有無から将来的な手術適応が予想できるとの報告もあり3,4),現在においてもSNRBの有用性は多くの臨床医から支持が得られていることも事実である.
本研究では当院で行ったSNRBの結果を詳細に調べ,最終的に手術を必要とした症例と手術にいたらなかった症例を比較・検討することでSNRBの適応と限界について考察したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021